診断に苦慮した扁平上皮癌のリンパ節転移の一例

櫻井 包子、坪井 智子、藤井 佳穂、水野 里美、宮下 拓也、和田 栄里子、
佐藤 允則、水野 義己、高橋 恵美子、都築 豊徳

症例

リンパ節 40歳代 女性
頸部腫瘤を自覚し、当院紹介受診。頸部穿刺細胞診が施行された。

細胞診所見

少数のリンパ球、好中球を背景に、無核扁平上皮細胞を多数認めた。集塊で出現した有核扁平上皮細胞は極性がないが、個々の細胞のN/C比は低く、核の大小不同などの核異型は認めなかった。

組織所見

リンパ節内で嚢胞状変化を認め、嚢胞壁内では核の腫大した腫瘍細胞が重層化しつつ、増殖・浸潤する所見を認めた。扁平上皮癌の転移の像である。その後の検索により扁桃原発の扁平上皮癌と診断された。

まとめ / 考察

頭頸部原発扁平上皮癌のリンパ節転移の場合には嚢胞形成することがあり、細胞異型が少ないことがある。本症例のように無核扁平上皮や、異型の弱い扁平上皮細胞のみで構成されている場合でも、頭頸部の扁平上皮癌の可能性があることを念頭におくべきである