クリプトコッカス脳症の一例
症例
髄液 70歳代 女性
2か月以上続く微熱と頭痛を主訴に当院受診。画像診断にて脳内に嚢胞性病変が認められたため、脳生検と髄液(脳内ドレナージ)検査が施行された。
2か月以上続く微熱と頭痛を主訴に当院受診。画像診断にて脳内に嚢胞性病変が認められたため、脳生検と髄液(脳内ドレナージ)検査が施行された。
細胞診所見
髄液中には多数の異型の乏しいリンパ球を背景に、ライトグリーンやオレンジGに好染し、厚い細胞壁や莢膜を有する大小不同の酵母様真菌を多数認めた。一部には、出芽する真菌の像や多核組織球に貪食される像が見られた。菌体の莢膜はPAS反応陽性で、ゼラチン様の構造物が染まっていた。
組織所見
脳生検では、脳実質組織・壊死組織・肉芽腫内に、d-PAS染色やグロコット染色陽性を示す酵母様真菌を多数認めた。軽度~中等度のリンパ球・形質細胞浸潤像や多核巨細胞の集簇巣を散見し、一部には小型石灰物や好中球浸潤像も見られた。
まとめ / 考察
原発性クリプトコッカス症から進行したクリプトコッカス脳症の一例を経験した。
クリプトコッカスは生育環境により大きさが変化することを認識し、鏡検することが必要である。
クリプトコッカスは生育環境により大きさが変化することを認識し、鏡検することが必要である。