リンパ節に転移したメルケル細胞癌の1例
症例
頚部リンパ節 80歳代 男性
右口角の右側に赤い皮疹が出現し徐々に増大.生検でメルケル細胞癌と診断され,放射線治療中に頚部リンパ節腫脹あり.穿刺吸引細胞診が行われた.
右口角の右側に赤い皮疹が出現し徐々に増大.生検でメルケル細胞癌と診断され,放射線治療中に頚部リンパ節腫脹あり.穿刺吸引細胞診が行われた.
細胞診所見
比較的小型均一な異型細胞が孤在性や結合性の緩い集塊で認められた.核は類円形でN/C比は高く,核クロマチンが微細顆粒状に増量していた.小さいが核小体もみられ,核縁は比較的明瞭で核分裂像も散見された.その他少数ではあるがIntermediate Filament buttonsが確認された.
組織所見
細胞質に乏しい腫瘍細胞がシート状に浸潤増殖していた.核分裂像が多数みられ,IHCでCD56陽性, CK20はperinuclear dot patternを示し,メルケル細胞癌と診断した.
まとめ / 考察
鑑別疾患にSCLCやMLがあり,それぞれの特徴を注意深く観察する必要がある.他にMCPyVの検出や,最近ではSATB2のIHCも有用となる報告がある.