乳腺に発生した顆粒細胞腫の1例

柴田恵子(CT) 東ゆりか(CT) 仲間巌(CT) 佐々孟紀(CT) 廣井善子(CT)
石岡久佳(MD)

症例

左乳房 70歳代 女性
左乳房のしこりを自覚し当院に紹介受診。左乳房D領域に超音波画像にてCategory5 の
腫瘤を認め穿刺細胞診が施行された。

細胞診所見

背景に顆粒状物質を無数に認める。多陵形の細胞が多数採取され、その細胞質には好酸性顆粒状物質を有する。核は小型類円形でクロマチンは微細である。背景の顆粒状物質は細胞質の崩壊によるものと考え顆粒細胞腫を疑う診断とした。

組織所見

好酸性、細顆粒状の豊かな細胞質を持つ腫瘍細胞が胞巣状、索状に増殖している。核分裂像は乏しい。腫瘍細胞は免疫染色でS-100陽性を呈する。

まとめ / 考察

乳腺顆粒細胞腫は画像上癌と間違いやすい。泡沫細胞集塊やアポクリン化生細胞、アポクリン癌などが鑑別に挙げられるが、背景の顆粒状物質や細胞質に充満した好酸性物質の顆粒などが特徴的であり、細胞像を着目することで鑑別ができた症例である。

病院別