乳腺嚢胞穿刺細胞診の1例

愛知県厚生連昭和病院臨床検査科病理1) 同外科2)
愛知県がんセンター腫瘍病理学3)
安居直1)、成瀬真理子1)、住吉尚之1)、西尾一美1)、飛永純一2)、福山隆一3)、中島伸夫1)

症例

乳腺嚢胞内液 70歳代 女性
近医にて右乳房嚢胞を発見され、当院外科に紹介となる。
C領域に50mmx50mmの嚢胞を触知.超音波にて、嚢胞内部に乳頭状腫瘤を認めた。

細胞診所見

背景は出血性で壊死はみられず、組織球と大型から小型の細胞集塊と弧在性細胞を認めた。
集塊は軽度重積性で極性は乱れ、二相性はみられなかった。
細胞は円柱状から紡錘形で、偏在する類円形の核を有し、核クロマチンは細網状、核小体は小型で1~2個もしくは不明瞭、細胞質は境界明瞭、豊富でライト緑に好染した。
以上の所見から異型円柱上皮とした。

組織所見

腫瘍組織には大小不同核を持つ細胞が癒合腺管、乳頭状腺管、また内腔に壊死組織を入れた面疱構造などをとって、嚢胞壁に浸潤性に増生している。
Invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinomaと診断した。

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