子宮に発生した腺腫様腫瘍の一例

名古屋第二赤十字病院 病理診断科
長田裕之(CT),瀬古周子(CT)水嶋祥栄(CT)
新田憲司(CT)岩田紘英(CT)前田永子(MD)
都築豊徳(MD)

症例

子宮腫瘍 40歳代 女性
40歳代、女性。多発子宮筋腫の経過観察中に筋腫の増大と不正出血があり、当院を紹介受診。子宮肉腫ないし変性筋腫を疑い手術施行

細胞診所見

組織球を背景に、多辺形で細胞質が淡染する 扁平上皮様の細胞を散在性~シート状の集塊で多数認めた。
立方状で細胞質が濃染し、核中心性の中皮様細胞も同様に多数認め、一部の細胞質には小腺腔が見られた。

核に軽度の肥大がみられるが、核形の不整やクロマチンの増量および核小体の腫大は認められなかった。
ギムザ染色では中皮細胞の特徴のひとつである細胞質が好塩基性を示した。

組織所見

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異型の乏しい扁平細胞が索状構造や大小の管腔様構造を不規則に形成するのを見る。
免疫組織検査(AE1AE3+CAM5.2 陽性,カルレチニン 陽性)より中皮細胞由来の腫瘍と考えられた。
以上の所見より、腺腫様腫瘍に相当する組織像と考えられる。

まとめ / 考察

【細胞診材料】子宮腫瘍擦過細胞診 

病院別