子宮頚部擦過

愛知県婦人科細胞診研究所:
岡田基、青山房子、奥村修、伊藤富士子、斉藤みち子
名古屋医療センター病理部:森谷鈴子

症例

子宮頸部 40歳代 女性
症例:45歳、女性
検体:子宮頚部擦過
主訴:水様性帯下

細胞診所見

背景はきれいで多くの粘液が出現していた。
細胞形は、類円形からやや背の高い円柱状で細胞質はライトグリーンに染色され、核は偏在し核クロマチンは軽度に増量し、細顆粒状で核形は類円形から楕円形で一部不整形である。黄色調の粘液を多量に含有する細胞集団も認められた。
細胞配列は不整で一部に重積を示す細胞集団もあり、粘液を含有する杯細胞も認められた。
本例は塗沫量が少なく細胞異型が比較的軽度であり、クラスⅢ:異型円柱上皮細胞と判定し組織診を依頼した。
この様な症例は腫瘍部分を確実に擦過しても細胞が充分に採取されない事もあり出現細胞が少なくても陰性と判定せず拾い上げる事が大切である。

組織所見

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組織診は粘液様腺癌内頚部型であった。

病院別