子宮頸部 内膜

名鉄病院

症例

子宮頸部、内膜 60歳代 女性
白色帯下
【現病歴】
半年前から白色帯下が持続しているため、当院で受診。
不正出血や下腹部痛は認めず。画像所見では、子宮留膿腫が疑われた。

細胞診所見

(子宮頚部)比較的小型で軽度の多形性がみられ、核クロマチンが顆粒状で濃染する細胞がみられ、扁平上皮癌が考えられた。
(子宮内膜)好中球が非常に多い。内膜由来と考えられる細胞集団は認めず、傍基底型の小型異型細胞の平面的な集団がみられ、扁平上皮内癌に由来する細胞と考えられた。
以上の細胞診所見から、子宮頚部扁平上皮癌の体部への浸潤が考えられた。

組織所見

子宮頸部の切片では、微小浸潤扁平上皮癌が認められた。
子宮内膜は、内膜組織は殆ど認められず、内膜の表面には、扁平上皮内癌が認められた。
右卵管内にも重層扁平上皮内癌が認められた。

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まとめ / 考察

子宮頚部の扁平上皮内癌や扁平上皮癌が体部や、ときには卵管、卵巣まで浸潤することを念頭におき、子宮頚部の細胞診で扁平上皮内癌や扁平上皮癌細胞に由来する細胞を観察した場合は、体部・卵管・卵巣の検索が必要である。

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