尿細胞診-コンタミ例-③

佐竹立成

症例

尿 70歳代 女性
主訴:尿失禁・尿潜血陽性。
現病歴:尿失禁で泌尿器外来受診。尿潜血陽性を指摘される。沈渣で異型細胞指摘される。
2週間後に尿細胞診を行う・・・IIIb(核異型を示す扁平上皮細胞をみるので婦人科で受診してください、と指示)。
その2週間後に婦人科受診して、子宮頸部細胞診(HSIL)、その21日後子宮頸部生検(CIN 3),
2.5か月後に子宮摘出術が行われた。子宮頸部癌(Squamous cell carcinoma in situ)と診断された(図4)。

細胞診所見

炎症細胞や壊死細胞がほとんど見られないきれいな背景を伴って、小型で核クロマチンが濃染しNC比の高い細胞が少数孤在性にあるいは小集塊を形成して認められた(図1,2,3)。この中には角化細胞も認められた(図2,3)。異型扁平上皮細胞は少数であり、背景がきれいなので子宮頸部癌細胞の自然尿へのコンタミネーション が考えられた。

組織所見

診断:子宮頸部癌細胞の自然尿へのコンタミネーション

病院別