後縦隔に発生したGanglioneuromaの一例

名古屋第二赤十字病院 病理診断科
水嶋祥栄、瀬古周子、長田裕之、新田憲司、岩田英紘、前田永子、都築豊徳

症例

後縦隔穿刺 10歳代 女性
学校検診にて胸部異常影を指摘され当院紹介受診。自覚症状なし。
精査にて8cm大の後縦隔腫瘍が指摘され腫瘍摘出術が施行された。
既往歴:アスペルガー症候群(9歳~)

細胞診所見

腫瘍穿刺吸引細胞診像。明瞭な核小体を有する神経細胞と異型の乏しい紡錘形細胞を認めた。
神経細胞の胞体内にはニッスル小体を認めた。

組織所見

異型の乏しい紡錘形腫瘍細胞が束状となり、緩やかな波状を呈しつつ交錯・増生するのが見られた。
成熟した神経節細胞がやや散在性に混在するのを部分的に認めた。壊死像は乏しかった。
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まとめ / 考察

【はじめに】
Ganglioneuroma(神経節腫)は、成熟した神経節細胞が集簇して、その間に豊富な神経線維、シュワン様細胞、線維組織などが増生している腫瘍である。
今回、後縦隔に発生した一例を経験したので提示する

病院別