後腹膜腫瘍で発見された絨毛癌の一例

青木 光治(CT)、加藤 正和(CT)、瀬古 周子(CT)、水嶋 祥栄(CT)
長田 裕之(CT)、新田 憲司(CT)、前田 永子(MD)、都築 豊徳(MD)

症例

エコーガイド下穿刺、後腹膜腫瘍 50歳代 男性
主訴:腹痛
現病歴:
腹痛を訴え当院消化器内科を受診、画像診断などにより後腹膜腫瘍(膵臓部位)を認めた。
確定診断の為、超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引細胞診(EUS-FNAB)が行われた。

細胞診所見

腫瘍細胞はやや血性な背景に大型でN/C比の大きな細胞が大小の集塊状として出現する。
核は類円形~楕円形で大型、核クロマチンは顆粒状~粗顆粒状で増量し、不整形な核小体を複数認めた。
細胞質は泡沫状でライトグリ-ン好性を呈し細胞辺縁は不明瞭であった。
また、上述細胞とは別に非常に大型な単核及び多核の巨細胞を認めた。
これらの細胞の細胞質はライトグリンに濃染し細胞辺縁は明瞭であった。
ギムザ染色で胞体は泡沫状で好塩基性を呈し小空胞を認める細胞も見られた。

組織所見

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多核の合胞性栄養膜細胞と単核の細胞性栄養膜細胞に類似した二相性の腫瘍細胞がシート状に増殖していた。
免疫組織化学的にはCytokeratin(CAM5.2)hCG HPLに陽性、AFP,C-kitは陰性所見を示し、Choriocarcinomaと診断された。

病院別