授乳期に発見された乳腺神経内分泌腫瘍の1例

加納考城、岩田幸蔵、久野臨、小川里美:(CT)
小島伊織、堀部良宗:(MD)

症例

乳腺 30歳代 女性
授乳期、左乳房A領域に径1cm弱の腫瘤を触知。画像診断で悪性を疑う為穿刺吸引細胞診を施行。

細胞診所見

背景はきれいで、重積性の強い乳頭状の乳管上皮の集塊を認めた。集塊辺縁の結合性は低下傾向であるが筋上皮様細胞との二相性を認め、核は類円形で腫大し、N/Cは増、クロマチンは細顆粒状で増量し、細胞質はライトグリーン淡染性であった。細胞採取量が多い為増殖性の病変で核異型があった為悪性疑いとした。

組織所見

胞巣状を呈し、中心部で粘液産生を伴っていた。腫瘍細胞は類円形から多角形で好酸性顆粒状の細胞質を有し、核は類円形・軽度大小不同で核小体が観察された。
免疫染色にてsynaptophysin(+)、chromogranin A(+)で神経内分泌分化を示した。

病院別