肉眼的血尿

名古屋掖済会病院

症例

自然尿 60歳代 男性
【主訴】肉眼的血尿
【現病歴】
2年前から1-2回/年、血尿を認め、約1週間前から血尿が持続するため、近医から当院へ紹介された。
当院にてTUR-Btによる組織診断後、膀胱全摘を受けた。

細胞診所見

出血性、壊死性背景を伴って、異型度の高い尿路上皮癌細胞と共に、小型でほぼ均一大の細胞が多数認められた。
小型細胞は主として孤在性に認められ、円形でN/C比は極めて高く、細胞質はごくわずかであった。
核も円形で核クロマチンは非常に増量し、濃染していた。

組織所見

TUR-Bt;乳頭状及び非乳頭状に増殖する尿路上皮癌(UC)成分と、核クロマチンが濃染し細胞質に乏しい小細胞癌(SCC)成分を認めた。
膀胱全摘標本;UCはcarcinoma in situ で、SCCは筋層まで浸潤していた。

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【病理診断】SCC+UC, SCC>UC, SCC:pT2, UC:G3, pT2

まとめ / 考察

尿細胞診標本で尿路上皮癌細胞をみたとき、小細胞癌など、他の組織型の癌細胞が併存する可能性についても念頭において観察することが重要である。

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