胸水に出現した骨外性Ewing腫瘍ファミリー腫瘍の1例

社会医療法人宏潤会 病理検査 久野 臨

症例

胸水 10歳未満 女性
8歳、女児。
【主訴】
発熱、右胸部痛。
胸部レントゲンにて肺炎像を認め、抗生剤を投与するが、症状の改善がみられなかった。
CTにて多量の右肺に胸水貯留を認めたため、胸腔穿刺術を施行した。
膿胸、胸膜炎を疑い、胸腔鏡による掻爬洗浄術を施行した。

細胞診所見

胸水では、炎症細胞を背景に、N/C比大の小型類円形細胞がインディアンファイル様配列や木目込み配列、緩やかな小集塊などの結合性を呈し、散在性に出現していた。クロマチンは細顆粒状であった。
腫瘍捺印細胞診では、血性背景に、疎な結合性あるいは孤立散在性に胸水と同様な小型類円形細胞が多数みとめられた。

組織所見

小型円形で均一な腫瘍細胞が充実性に増殖し、シート状、小葉状、胞巣状構造を呈していた。
骨外性ユーイング肉腫ファミリー腫瘍と診断され、グリコーゲン陽性、免疫組織化学的検索ではCD99で陽性となった。

まとめ / 考察

【はじめに】
今回我々は、比較的稀な骨外性ユーイング肉腫の1例を経験したので細胞像を中心に報告する。

病院別