術中迅速で診断困難であった頭蓋底軟骨肉腫の1例

平山沙也香、浅井昌美

症例

頭蓋骨 30歳代 女性
採取部位・方法 :術中迅速検体
臨床情報 :頭蓋底髄膜腫疑い

細胞診所見

術中迅速HEおよびパパニコロウ染色では、粘液様物質を背景に腫瘍細胞が散在性に出現、核は小型で円形から類円形、二核のものも認めた。核分裂像は認めない。一部に石灰化を認め

組織所見

粘液様基質を伴う分葉状構造を認め、腫瘍細胞がやや密な胞巣を形成する。腫瘍細胞は星芒状・類円形・紡錘形を示し、腫瘍細胞の核はややクロマチンが増加する。高度な核異型はなく、核分裂像も乏しい。背景基質には一部に石灰化を認める。免疫組織化学染色はS-100(+)、CAM5.2(-)、SOX-9(+)、MIB-1標識率は1%以下であった。

まとめ / 考察

頭蓋底から発生する稀な腫瘍である軟骨肉腫を経験した。当院では脳腫瘍の術中スタンプではHE標本およびパパニコロウ標本を作製しており、ギムザ染色は作成していないが、今後はギムザ標本も作製するとよいと考えられた症例である。

病院別