EBUS-FNA材料でリンパ腫と鑑別が困難であった小細胞癌

今野和治・白石泰三・宇田紗矢香・矢野孝明・伊藤英樹・森正美・仙波玲美

症例

肺門部から縦隔 70歳代 女性
全身倦怠感にて外来受診。胸部X-Pにて大動脈弓の拡大あり。CTにて肺門部から縦隔にかけて1.8cm大の腫瘤を認めた。臨床的には、肺癌または悪性リンパ腫を疑い、精査目的にEBUS-TBNAが施行された。

細胞診所見

比較的清明な背景に、N/C比の高い類円形の異型細胞が単調な増殖を伴い散在性に出現、クロマチンは粗顆粒状の増量がみられた。一部やや疎な結合性や鋳型状配列を認めた。診断時は悪性リンパ腫疑いと診断した。

組織所見

小型異型細胞の増殖を認めた。N/Cは極めて高く、裸核様類円形核、核異型に乏しく周囲に核の挫滅像認める組織像であった。免疫組織学的にCD3(-)、CD20(-) 、 Synaptophysin(+)、ChomograninA(±)の結果より小細胞癌と診断された。

まとめ / 考察

EBUS-FNA材料にて細胞診にてリンパ腫を疑ったが、組織診断にて小細胞癌であった。再鏡検では、鋳型状配列や核クロマチンの細~粗顆粒状パターン、核小体の不明瞭をみることで、鑑別はできると考えられた。

病院別