EUS-FNAで経験したGISTの1例

松田知世, 釘宮弥里, 金山和樹:(CT)
今井裕, 小塚祐司, 橋詰令太郎, 渡邉昌俊:(MD)

症例

腹腔内腫瘤 30歳代 女性
CTにて胃前庭部に接した腹腔内に嚢胞成分を伴う20cm⼤の腫瘤性病変を認め、精査⽬的のためEUS-FNAが施⾏された。

細胞診所見

中型異型細胞が内部に⾎管間質を含む充実性集塊や散在性に出現していた。核は類円形で、比較的単調に出現し、裸核細胞も多数認めた。異型細胞のN/C比は高く、核クロマチンは非常に繊細で、核小体明瞭や高度核形不整を示した。また、rhabdoid cellも多数出現していた。

組織所見

セルブロック検体では、明瞭な核⼩体を含んだ⼤型核を伴う上皮様細胞がシート状に増生し、rhabdoid cellも認められた。手術検体では、加えて紡錘形細胞の増⽣する部分を認め、上⽪様細胞と移⾏していた。c-kit, DOG1, CD34が全て陽性であり、GISTと診断された。

まとめ / 考察

Epithelioid cell GISTの判定には、出現形態や核の立体不整、 rhabdoid cellの観察が重要であるが、細胞診のみでの診断は困難なことも多く、免疫染⾊と併せて最終診断を行う必要がある。

病院別