Solid-pseudopapillary neoplasmの一例

米田操1)、3)、 今井裕2)、 金山和樹3)、 内田克典2)、 小塚祐司2)、 白石泰三3)
1) 鈴鹿医療科学大学保健衛生学部
2) 三重大学医学部附属病院病理部
3) 三重大学大学院医学系研究科腫瘍病理学

症例

膵頭部 40歳代 男性
40歳代、男性。
体重減少を主訴に他院受診。
腹部CTにて膵頭部に内部石灰化を伴う腫瘤を認め、当院紹介受診となった。
当院でEUS-FNAが行われ、その後膵頭十二指腸切除術が施行された。

細胞診所見

小型円形を示す異型細胞が集塊または散在性に認められた。
顆粒状細胞質を有し、核は偏在性で微細顆粒状のクロマチンを示していた。
血管を軸とした偽乳頭状配列や硝子様物質を認めsolid-pseudopapillary neoplasm(以下SPN)と細胞判定した。

組織所見

血管および硝子様間質を伴った乳頭状および充実性増殖を認めた。
異型細胞は顆粒状細胞質、円形核、微細顆粒状のクロマチンを示していた。
免疫染色はCD56陽性、synaptophysin陽性、chromograninA 陰性、α1-antichymotoripshin陰性、β-catenin 陽性を示しSPNと最終診断された。

まとめ / 考察

SPNは若年女性に多く認められるが、本症例のように中年男性でSPNの特徴所見が認められた場合においても、積極的にSPNと細胞診断することが重要であると考えられた。

病院別