50代男性でみられたSolid-pseudopapillary neoplasm の一例

山下美奈、久野欽子,小池健太,矢田啓二(CT)、加藤由華(MT)
市原周,西村理恵子(MD)

症例

膵体尾部 50歳代 男性
検診にて膵体尾部18mm大の腫瘤を指摘、当院にて造影MRIを実施。neuroendocrine tumor(NET)またはsolid-pseudopapillary neoplasm (SPN)が疑われた。EUS-FNAを実施、SPNと診断され手術となった。

細胞診所見

類円形でやや濃染した核をもつ裸核状の細胞が単調に出現し、細顆粒状の核クロマチンと核小体を認めNETを疑った。組織診断後、再度鏡検を試みると、腫瘍細胞の重積性集塊または偽乳頭状集塊がみられSPNを疑う所見が確認された。

組織所見

HE染色では好酸性の胞体と異型の乏しい核の偏在した細胞の小集塊像や一部に乳頭状構造、間質に硝子様物質を認めSPNもしくはNETを疑った。免染よりSPNを第一に疑った。免染結果とあわせてSPNと診断された。

まとめ / 考察

SPNとNETでは細胞所見が類似しており鑑別困難な場合が多い。年齢や性別に関わらず、両者とも鑑別診断に挙げる必要がある。

病院別