石灰化上皮腫(Carcifying epithelioma)の1例

野畑真奈美1)(CT),山田義広1)(CT), 中根昌洋1) (CT) ,中井美恵子1)(CT),
村上真理子1)(CT)林 直樹1)(CT),中野邦枝1)(CT)米山亜紀子2)(MD),伊藤 誠2)(MD)
越川卓3)(MD)
1) 医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院 臨床検査・病理技術科 2) 同・病理診断科
3)修文大学 看護学部

症例

皮下腫瘤 10歳代 男性
右項部の皮下腫瘤.徐々に増大傾向を認めた

細胞診所見

異物巨細胞,基質粘液様成分,泡沫細胞,核腫大した扁平上皮様細胞とともにN/C比大でクロマチン増加し核小体腫大した小型円形異型細胞の重積性集塊を多数みとめた.一部に壊死や核分裂像もみられた.未分化な悪性細胞を否定できない所見と考えられた.セルブロック:好塩基性細胞,陰影細胞様の細胞集塊が標本化され石灰化上皮腫が疑われた.

組織所見

基底細胞様の好塩基性細胞が地図状に増生し腫瘍細胞の集簇の中心部では壊死に陥ってghost状となった細胞が見られる.石灰化上皮腫と診断された.

まとめ / 考察

好塩基性細胞は悪性細胞との鑑別が困難である.細胞診ではghost cellsがみられない場合は診断が難しいが,頭頚部に発生するこのような細胞像を呈する皮膚腫瘍を念頭におき,ごく少数であっても好塩基性細胞に混じって褐色調の核消失したghost cells「陰影細胞」や濃縮核を有する褐色の「移行細胞」に気付き詳細に観察する必要がある.