薬剤性出血性膀胱炎の1症例

○今井律子

症例

自然尿 50歳代 女性
7年前から乳癌術後再発にて化療中。
     膀胱出血(肉眼的血尿)にて泌尿器科受診し、尿細胞診施行

細胞診所見

細胞像1弱拡大像では炎症細胞を背景に異型細胞が集塊で認められる。
拡大像では異型細胞は同一標本中の尿路上皮細胞と対比して観察すると異型細胞の細胞質は尿路上皮細胞と同様の厚みがある。核は核腫大、核の大小不同、核形不整、核小体の肥大などの核異型が認められるが核クロマチンの濃染は認められない。

組織所見

膀胱生検:膀胱粘膜の尿路上皮細胞には軽度の核異型を認めるが、悪性、異形成とするだけの所見はない。間質には炎症細胞浸潤を認め、大型多核細胞が散在して認められる。

Giant cell cystitisと診断された。

まとめ / 考察

薬剤性出血性膀胱炎の症例を報告した。
抗がん剤(シクロフォスファミドなど)による薬物に暴露により、膀胱壁はうっ血、浮腫、炎症細胞の浸潤、肉芽形成、平滑筋の萎縮、繊維化が進行し、最終的には萎縮膀胱となる。
尿細胞診では尿路上皮細胞の細胞、核の腫大、核形不整、核小体肥大など多彩な細胞所見を呈する。これらの細胞は特に高異型度尿路上皮癌細胞との鑑別が大切である。