卵巣原発カルチノイドの1例

愛知医科大学病院 病院病理部
和田 栄里子、北村 淳子、櫻井 包子、佐藤 允則、水野 義己、
宮下 拓也、佐野 順司、小林瑞希、高橋 恵美子、横井 豊治

症例

卵巣腫瘍 50歳代 女性
右卵巣腫瘍を指摘され、腫瘍摘出術施行。
術中迅速診断で悪性が疑われたため、子宮・両附属器切除術施行。
腫瘍は、約11×8㎝で充実性。

細胞診所見

細胞質は淡く豊富で、核の大小不同の乏しい異型細胞を多くは散在性、一部粗結合性を示すシート状小集塊として認めた。
クロマチン構造は顆粒状~粗顆粒状で均等に分布していた。
ロゼット様構造も認めた。
それに加えて核の大小不同、核異型のある異型細胞も多く認めた。

組織所見

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右卵巣に充実性腫瘍を認めた。
類円形核を有する腫瘍細胞が大小の充実胞巣、索状、腺腔状に増生していた。
軽度の細胞異型を示す領域と細胞がより大型で、異型度を増した領域が認められた。
免疫染色にてカルチノイドと診断された。

病院別