子宮膣部細胞診に出現した卵巣漿液性腺癌のの一例

愛知医科大学病院 病院病理部
佐野順司/水野義己/佐藤允則/大橋包子/伊藤千早/高橋恵美子/原 一夫

症例

子宮膣部、内膜 40歳代 女性
症例は、42歳女性。
約1週間前より下腹部膨満感があり前医受診。
卵巣癌が疑われ当院へ紹介受診した。

細胞診所見

表層型扁平上皮細胞主体のきれいな背景に不規則な乳頭状細胞集塊が出現していた。
腫瘍細胞は、N/C比大で円形から類円形の核があり、クロマチンは細で密に増量し大型の明瞭な赤い核小体が認められた。

組織所見

両側卵巣表面に乳頭状に異型細胞が増生し、卵巣内にも嚢胞性病変が見られる。
大網・腹腔内幡腫も見られる。又、左卵管内腔に腫瘍成分の浮遊を認めた。
Serous papillary adenocarcinomaと診断された。

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