子宮頚部擦過

愛知婦人科細胞診研究所:
奥村修、岡田基、青山房子、伊藤富士子、斉藤みち子
藤田保健衛生大学医学部第2病理学:溝口良順

症例

子宮頸部 30歳代 女性
36歳、未産婦、
検体:子宮頚部擦過
主訴:不正性器出血

細胞診所見

炎症性の背景に多くの異型細胞が出現していた。
腺上皮系異型細胞は、細胞質はライトグリーンに染色され、核は偏在し核クロマチンは軽度に増量し、細顆粒状で核形は類円形から楕円形で一部不整形である。
又クロマチン増加、N/C比大で細胞質はライトグリーンに染色、オレンジGに染色される扁平上皮系異型細胞が散在性に認められた。
腺系、扁平上皮系の区別が困難な細胞集団も認められた。
本例は多彩な細胞像がみられ細胞所見からは、扁平上皮癌細胞と腺癌細胞が推定された。
細胞判定に際しては、多くの異型細胞が出現しており腺、扁平上皮系の異型細胞を確実に把握して拾い上げる事が大切である。

組織所見

組織診は頚部腺扁平上皮癌であった。

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