子宮頸部神経内分泌腫瘍の1例

宮田一史 1)寳來慎吾 1) 中村智子 1) 堂園俊太郎 1) 鈴木健太郎 1) 加藤俊男 2) 内木綾 3)

症例

子宮頸部 70歳代 女性
他院にて細胞診HSILclassⅢbの診断があり、当院紹介受診。精査目的で子宮頸部綿棒擦過細胞診を施行した。

細胞診所見

クロマチンの増量をみる結合性の緩い細胞集塊が認められた。細胞質は比較的乏しく、核の大小不同を認めた。核クロマチンはゴマ塩状を呈しており、神経内分泌腫瘍が疑われた。

組織所見

好酸性胞体をもち、胞体の乏しい、やや大型の類円形異型細胞を認め、ロゼット様構造が散見された。核は空胞状で著明な核小体を有し、ゴマ塩状のクロマチンを呈した。核分裂像も多数認め、免疫染色でCD56、chromograninA、NSE陽性であったため大細胞神経内分泌癌の診断となった。

まとめ / 考察

今回経験した症例では核異型やNC比の増大を認め、高度異形成や非角化型扁平上皮癌、神経内分泌腫瘍等が鑑別に挙げられた。一見、深層扁平上皮様にみられる細胞集塊であったが、クロマチンの性状や細胞質の形態に着目することで鑑別できた症例であった。

病院別