肺胞蛋白症の一例

名古屋第二赤十字病院

症例

肺胞洗浄液 60歳代 女性
咳を主訴に近医を受診。胸部X線写真にて異常陰影を指摘された。
その後、経過観察するも改善傾向が見られなかった為、精査 目的にて当院を紹介受診。
肺胞洗浄液(BALF)の細胞診検査ならびにTBLBが施行された。

細胞診所見

BALFは白濁しており、多数のリンパ球と肺胞マクロファージが見られた。
背景にはPAS染色陽性の顆粒状物質が見られた。
肺胞マクロファージは膨化し泡沫状を示していた。
また、多核組織球は見られなかった。

組織所見

肺胞腔内に蛋白液が充満しており、軽度の組織球浸潤を伴っていた。
肺胞隔壁にわずかにリンパ球浸潤が見られた。

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まとめ / 考察

鑑別疾患には結核、サルコイドーシス、カリニ肺炎などが挙げられる。
組織球が孤在性に出現しており類上皮が見られないこと、顆粒状物質がPAS染色陽性であることから本症例を肺胞蛋白症と推定することは可能であると考えられた。

病院別