硬化性肺胞上皮腫の1例
症例
左肺結節 20歳代 女性
大学入学時の胸部検診にて異常陰影指摘された。二次検診にてCT施行し左肺結節が指摘された。その後、CTガイド下肺生検施行。腫瘍の増大により左S6区域切除術により腫瘍が摘出された。摘出された材料の腫瘍部より穿刺吸引細胞診を施行した。
大学入学時の胸部検診にて異常陰影指摘された。二次検診にてCT施行し左肺結節が指摘された。その後、CTガイド下肺生検施行。腫瘍の増大により左S6区域切除術により腫瘍が摘出された。摘出された材料の腫瘍部より穿刺吸引細胞診を施行した。
細胞診所見
出血性背景、泡沫状組織球を背景に結合性の強い大型乳頭状集塊で出現。構成する細胞は、表層の淡明な細胞質を有する立方形細胞と深部の多角形類円形核細胞の2種類の細胞からなり、核溝、不明瞭な核小体を認められた。
組織所見
類円形細胞の集簇巣を取り囲むように、立方状の 肺胞上皮の増殖を認めた。腫瘍内に乳頭状成分、充実成分、出血成分、硬化成分を認めた。免疫染色にて肺胞上皮はCK7陽性、類円形細胞はPgR陽性であった。
まとめ / 考察
硬化性上皮腫は、結合性の強い大型乳頭状集塊で出現し表層の淡明な細胞質を有する立方形細胞と深部の多角形類円形核細胞の2種類の細胞から構成される。悪性と見誤る可能性があるが、詳細な細胞観察、臨床情報を考慮することにより悪性と診断しないことが重要である。