中皮腫と鑑別困難であった異型中皮過形成の1例

〇山田知里(CT)〇佐藤朋子(MD)大池里枝(CT)唐渡結希(CT)村松彩(MD)佐竹立成(MD)

症例

胸水 80歳代 女性
右側胸水増加を指摘され他院より紹介受診された。CTにて右側胸水を確認し、穿刺細胞診施行された。

細胞診所見

円形ないし類円形の細胞が強い重積を示す集塊を形成して多数認められた。集塊を形成する細胞の核はほぼ均一大で偏在性を示さず軽度の核形不整がみられた。細胞質は不透明で重厚感を認めた。細胞の結合性は強く、集塊辺縁には微絨毛が認められ、多数のⅡ型collagenous stromaや少数のhump様細胞質突起を有する相互封入像が観察された。中皮由来の細胞と考えられ、悪性中皮腫に由来する細胞と考えられた。

組織所見

胸膜表面には異型を示す細胞が単層あるいは多層性に認められた。胸膜間質への浸潤はみられなかった。免疫染色で異型細胞はD2-40とWT-1に陽性、Claudin4とBer-EP4に陰性を示した。MTAPの消失は認められなかったがBAP1では一部の細胞は消失を示した。以上の結果から中皮腫取扱い規約第2版に基づき、異型中皮過形成と診断した。なお4年後に行われた胸膜生検も同様な組織像を示していた。

まとめ / 考察

中皮腫の診断に胸水細胞診が果たす役割は重要であるが、中皮腫の診断にはアスベスト暴露歴の有無、画像所見、胸水ヒアルロン酸値、生検所見などを合わせた総合的な診断が大切である。本症例ではアスベスト暴露歴はなく、胸水ヒアルロン酸値は51600.0ng/mlで、胸膜プラークは認められなかった。今後経過観察する予定である。

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