唾液腺細胞診ミラノシステム判定Ⅱ.非腫瘍性とⅢ.意義不明な異型との判別が困難であった慢性唾液腺炎の一例

[筆頭演者・共著者氏名]
田中由美恵1), 大島康裕1), 尾関順子1), 近藤吉起1),  小林雅子1), 柴田典子1), 鈴木緑1), 所嘉朗1), 細田和貴2)

症例

顎下腺 50歳代 女性
左頸部腫瘤を主訴に当院を受診。触診では、左顎下部に硬い腫瘤を触知し、超音波検査では左顎下腺内中央に、低エコーを示す結節を認めた。唾石は認めず。
臨床診断で、顎下腺腫瘍疑い・炎症性病変の可能性も考慮し、穿刺吸引細胞診を施行。

細胞診所見

細胞量は少量。明らかな炎症性背景は認めず、粘液腫様の液状成分とともに、N/C比が高く、核異型の乏しい小型類円形細胞の小集塊を少数認めた。

組織所見

太い唾液腺導管の周囲には炎症細胞浸潤と線維化を認めた。導管周囲では小葉間に線維化がみられ、分葉状を呈していた。小葉内にリンパ球浸潤が見られ、リンパ濾胞も観察された。腺房細胞は炎症により萎縮を呈し、末梢の細い導管に反応性の増生がみられた。一部の腺房は脱落し、末梢の細い導管の増生とリンパ球や形質細胞の浸潤を認めた。IgG4/IgG比は低く、IgG4関連疾患は支持されなかった。以上より慢性唾液腺炎とした。

まとめ / 考察

ミラノシステム診断区分ⅡとⅢは重複する所見が多く、慢性唾液腺炎をミラノシステム診断区分Ⅱへ分類することが困難な場合がある。
慢性唾液腺炎で出現する上皮細胞所見を理解すること、また十分な臨床情報を事前に確認することがミラノシステム診断区分Ⅱの判定に重要である。

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