耳下腺穿刺吸引細胞診で得られた分泌癌の一例
症例
耳下腺 70歳代 男性
5年前から左耳下腺腫脹があり、前医受診。サイズが3cm大で増加傾向である事から当院紹介となり、穿刺吸引細胞診が施行された。
5年前から左耳下腺腫脹があり、前医受診。サイズが3cm大で増加傾向である事から当院紹介となり、穿刺吸引細胞診が施行された。
細胞診所見
粘液、およびヘモジデリン貪食組織球を背景に、乳頭状を呈する細胞集塊を認めた。細胞は軽度の核形不整があり、核小体の腫大がみられ、細胞質に多数の空胞を認めた。
組織所見
腫瘍は肉眼的に境界明瞭で、嚢胞形成、大小の濾胞、乳頭状など多彩な増殖形態を示し、背景唾液腺に圧排性浸潤を認めた。腫瘍細胞は中等度の核異型を伴い、チモーゲン顆粒を含まない好酸性細胞質からなり、細胞質内空胞を多数認めた。免疫染色ではMammaglobin、S100、Pan-Trkに陽性を示し、分泌癌と診断された。
まとめ / 考察
分泌癌は細胞異型が軽度であり、細胞診での良悪性の判定に難渋した。本症例では分泌癌に特徴的な細胞質内微小空胞を認めたが、細胞診のみでは組織型推定が困難なため、免疫染色を含めた総合的な診断が必要である。




