胃に発生したグロムス腫瘍の1例

倉田裕生(CT:筆頭演者)小島伊織(MD)加納考城(CT)久野臨(CT)岩田幸蔵(CT)小川里美(CT)永井優花(CT)

症例

胃 30歳代 男性
4ヶ月前より上腹部不快感があり、悪化してきたため当院受診し、内視鏡検査にて精査を行った。

細胞診所見

血液成分や間質成分を背景に、N/C比が高く、結合性の強い小型異型細胞が散在。異型細胞の細胞質はライトグリーン好性、核は円形、クロマチンは増量していた。

組織所見

拡張した壁の薄い血管の周辺に胞巣状・シート状の腫瘍が増殖していた。腫瘍細胞は類円形でN/C比が高く、核は均一な円形で濃染。免疫染色ではAE1/AE3、synaptophysin、chromograninA、c-kit、DOG1は陰性、SMAは陽性を示した。

まとめ / 考察

グロムス腫瘍は内臓にも発生しうることを念頭に置き、小型円形細胞の鑑別診断として考慮することが重要であると考えられる。細胞像だけで判定せず、臨床所見や画像所見を参考にし、最終診断は組織診に委ねることも必要であると考えられる。

病院別