中枢側気管支の閉塞の原因となった腺上皮型の気管支乳頭腫の1例

〇大越純也1)、三島朱花1)、藤江修吾1)、澤田涼子1)、中野邦枝1)、村上真理子1)、林直樹1)、伊藤誠2)、中根昌洋3)、越川卓4)

症例

器官内採痰 60歳代 女性
既往に慢性肝疾患がある。7年前より左肺下葉の肺炎を繰り返し、精査の結果CT上で左B6気管支内に長径13㎜の腫瘤があり気道閉塞を起こしていた。診断を目的に気管支内痰の細胞診と気管支鏡下の生検が施行され、その後気管支鏡下の腫瘍摘出が行われた。

細胞診所見

線毛円柱上皮細胞やマクロファージなどと共に、間質成分を伴う分岐のある大型乳頭状集塊が認められた。乳頭状集塊の辺縁は異型のない円柱上皮が規則的に配列し、集塊中心部には硝子様間質が介在していた。

組織所見

気管支内に13mm大の外方性増殖を示す乳頭腫状構造の腫瘤がみられた。血管線維性の間質のまわりに基底細胞と円柱上皮からなる被覆上皮が柵状に配列していた。円柱上皮の尖部には刷子縁があり線毛を有する気管支円柱上皮と考えられた。免疫染色では、p63とTTF-1が基底細胞に陽性、円柱上皮はTTF-1の発現は微弱ないし陰性だった。p16INK4aの発現は認められなかった。以上より腺上皮型の気管支乳頭腫と診断した。

まとめ / 考察

気管支乳頭腫は稀な良性の気管支腫瘍であり、特に腺上皮型の乳頭腫の頻度は稀である。反復性肺炎や閉塞性病変として発見される機会がほとんどであり、細胞診では円柱上皮に被覆された乳頭状集塊を形成し、核異型に乏しい大型な集塊がみられることが特徴である。臨床経過や画像所見の事前確認は必須であり、細胞診も補助診断に有用である。

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部位別